その告白、信じますか?
「ただいまー」
ペットボトルが4本入ったコンビニ袋を提げて帰宅した。
部屋に入ると、3人が心配そうに私を見ている。
「・・・?」
袋からジュースを取り出してテーブルに並べる。
「みちるが好きな、りんごのやつがあったから買ってきたよ」
はい、とリンゴジュースを手渡すと、
みちるは小さくありがと、と言って受け取った。
「徹平と琢磨にはカフェオレ買ってきた。」
「おぅ。」
みんななんだかそわそわしている。
「‥何かあった?」
みんなを見回しながら訊く。
みちるが言いにくそうに口を開いた。
「あのね、さっきの‥航太くんの‥」
「へっ!?」
さっきの航太くんの笑顔が頭に浮かび、
抱きしめられた感覚が蘇ってドキっとする。
なんでみちるがそのこと知ってるの?
「えーとね‥
あれは、その、
私もいきなりでびっくりしたというか‥」
オレンジジュースのキャップを開け、口をつける。
さっき緊張したせいか、喉が乾いていた。
一気に半分ほど飲んで、息をはく。
「そうだよね‥
なんか調子のって色々言って、ごめんね。」
色々言って‥?
あ、そうだ!
私、家飛び出したんだっけ‥?
さっきの告白事件で、そんなことはすっかり頭から飛んでしまっていた。
「あ‥私も急に出ていったりしてごめんね‥」
ペットボトルのキャップをしめ、テーブルに置いた。
「俺も‥一回遊びに行ってみればとか‥
それは綾が決めることだよな、ごめん。」
徹平が申し訳なさそうに頭を下げた。
・・・それが、なぜか飲みに行くことになったんです。
それも来週に。
とは言えず、
「私も感情的になっちゃってごめん。なんか疲れてるのかな?
さ、ビールでも飲もーっと!」
冷蔵庫から缶ビールを取り出して、勢いよくタブを引いた。
「ジュース買ってきたのに?」
苦笑するみちるをよそに、私はぐびぐびとビールを飲んだ。