その告白、信じますか?
「電車乗るの?」
航太くんの足取りは切符売り場へ向かっている。
「この間はあまりにも色気ない場所だったから、今日はちゃんと調べてきた。」
隣を歩く航太くんが笑いながら言う。
「この間のところで充分だったよ?」
航太くんは身長が高い。ヒールのあるサンダルをはいてきたけど、それでも隣に並ぶと私が見上げないといけないくらい。
「‥ありがと。
でもせっかくだから、ちょっとカッコつけさせて。」
照れたように笑いながら、航太くんは券売機のボタンを押した。
行こう、と切符を渡されて、私の分まで買ってくれたんだ、とその時に気付いた。
「あ‥」
「電車くるかも。急ご。」
背中を押され、航太くんが私の横をすり抜けて改札を通っていく。
お礼を言うタイミングを逃した私は、黙って航太くんの背中を追いかけた。