私の鬼畜な天使様
『ちょ、やめ…っ!』

さわさわと撫でる手のひらにかあっ、顔に血が集まって変な汗が全身から吹き出てきた。

『しかもなんかいい匂い…甘いような…』

『ひゃ!』

首筋に鼻をくっっけすんすんするフェイトはきっとやらしい意味なんてなくただ単に好奇心だに従って行動してるんだろう。

『あ~なんか下っ腹が重苦しいつか…ぐわーってクる。なんだこの感覚』

『ひいっ!』

なんか硬いモンが太ももあたりに…あた…当たって…。

もう駄目だ。

『ひ、ひんっ…』

気付けばぼろぼろと涙が両目から流れ出ていた。

『は?えぇっ!?なんだよ何泣いてんだよ』

『う、るさいっ!泣かせたかったんでしょ…う、く…こ、れで満足?馬鹿、天使っ』

『…俺なんか泣かせるような事したか?』

『知らな、っ馬鹿』

無自覚ってのは本当に困る。そりゃあ天使と人間じゃ常識や価値観その他もろもろ違うのは分かるけど私は今までなるべく人を避けて生きてきた。男の人なんて論外だ。それかいきなり押し倒されて、触られあまつさえ匂い嗅がれるなんて完全に許容量を超えている。しかもそのときフェイトの唇が微かだけど肌に触れたのだ。

『なあ…泣くなって』

蜜柑、と小さな戸惑ったような声が聞こえそっと頭を撫でられるもびくっ、と硬直した身体に慌ててその手が離される。

『も、触んねーから、さ』

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