私の鬼畜な天使様
何故か私の部屋中央、どっかり座りくいくいと人差し指で招かれるこの状況。

『…何ですか?』

透き通った湖を思わせるアイスブルーの瞳がすい、と細められ形の良い唇の片側がつり上がった。

『まだ警戒してんのか?俺が人間の女なんか手を出すか。しかもお前みたいなふっつーの秀でた所など何もないつまらん女に。そういう奴に限って自意識過剰なんだよ』

は、と小馬鹿にするように笑われて一気に頬が熱くなった。別にそんなつもりじゃ、

『それともわざと誘ってんのか?生憎だが俺はそんなやっすい天使じゃないんでな。寂しい独り暮らしで肌恋しいのは分かるが露骨過ぎるぞ』

何だかすごく…上から目線。そりゃ私は普通の何の取り柄もない女の子だ。見ず知らずの変な男をうちに上げるくらい流されやすいし優柔不断、けど。

『誘うなら己に見当たったそこらの奴に声かけ…っぶはへ!』

最後まで言う前に男はもんどり打って転がっていった。

『に、人間…っ!つーか女舐めんなっ!この……ナル天使っ!』

私が思いっきり平手打ちしたから。


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