私の鬼畜な天使様
『だっからおめー…「死にたがり」の女を「救って」生きる喜びを教えろ、って事。違う、とか言うなよ。お前がそうなのはさっき確認したし…おかわり』

コップを突き出し日本酒の催促をしたがら言う台詞だろうか?しかも確認済み、って。

『じゃあ首締めたのはわざとなの?』

『いんや…腹立ったからあれはマジ』

さらっとそんな。

『とにかく俺は蜜柑、てめーを生かしとく使命があるわけだ。ケルベロスが出てきた以上魔王も監視してるに違いねぇ。しばらくおとなしくしてなきゃまずいし堕天云々は二の次だな』

『…つまり』

『お前と当分一緒って事』

一緒…当分…このいけ好かないナル天使と。

『や…』

『あ?』

『やだああっ!やだやだ!絶対やだ!』

『はあ?』

『なんであんたと一緒にいなきゃなんないの?別に私は救って欲しいなんて1ミリも思ってないし!だいたいみんなあんたの都合じゃん!やだ!断固拒否する』

『てめえぇ…この期に及んでぎゃあぎゃあと』

だんっ、とコップをテーブルに打ちつけたフェイトがゆらりと立ち上がる。

『こっちこないで!』

『とことん可愛くない女だなっ!』

『あんたにどう思われようがぜんっぜん痛くも痒くもないよ!エセ天使!』

『言ったなコラァ!エセかどうか自分でじっくり確認しやがれ!』

中指を突き立て(つか天使がそんなジェスチャーしてる時点でおかしいよね?)フェイトが叫んだ瞬間、きらきらと輝く純白のなにかが私の視界いっぱいに飛び込んできた。

それはまさしく。


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