私の鬼畜な天使様
『触りてーか?』

『へ?』

『だから触りてーのかっていってんだよ馬鹿!どんくせーなてめぇは』

怒鳴りつけられたけれたけどこの綺麗な純白に触れられるなんて思いもしなかった。いいのかな?私なんか。

『どうなんだよ』

『じゃ…お願いします』

くいくいと人差し指で呼ばれそっと撫でる。

『ふわあああ』

光の粒子が羽毛一本一本にきらきらまとわりついて七色に輝いている。目に痛い程の白さはずっと見ていられないくらい神々しい。滑らかなのにしっとりしてて…とにかく今まで感じた事のない感覚。

『フェイト…』

腕を組み真っ直ぐ前を向くナル天使。それはいつか見た有名な宗教画を彷彿とさせた。美しい金の髪に意志の強そうな澄んだ蒼の眼差し、羽根と同じ真っ白な肌、

『あんだよ』

ちらっと私を胡散臭さそうに一瞥し眉間にシワを寄せるその表情さえ。

『や、美人さんだなあ、と思って』

『見とれてたんか、』


『うん…さすが腐っても天使』

『てんめぇえ!ぶっ殺す!!』

『ぎゃああああ!!』

ばっさばっさ羽根をはためかせながら般若の形相をしたフェイトにしばらく追いかけられる事になったのは言うまでもなく。

隣の部屋の住人から苦情がくるまで狭い部屋での追いかけっこは続いたのでした。

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