この声が届くまで





「 拓… 」

「 泣きそうな顔してんなよ、大丈夫だろ 」




拓は何を言うわけでもなく

安心できるように手を力一杯握ってくれた




「 十弥が生まれるとき凄く怖かった 」

「 ……… 」

「 愛彩、まだガキのくせにママだよ?

あの頃じゃ全然考えられなかったし
十弥をおろすことだって… 」




だけどさ、泣いたんだ。





< 221 / 269 >

この作品をシェア

pagetop