この声が届くまで
最終章
「 メリークリスマスイブ! 」
誰かの歓声を合図に複数のグラスが重なる音が響いた
「 愛彩、誕生日おめでとう! 」
次いで、莉央ちゃんの大きな声
「 莉央ちゃん…みんな…ありがとう 」
「 …っ…ぷっ、泣かないの~ 」
「 だって嬉しくて…うっ…… 」
クリスマスイブ、21年前のこの聖なる日に
愛彩はママから生まれた
そしてママはこの日に、逝った―――…