この声が届くまで





思わず下を向いた

だってこんな恥ずかしいこと言わない


多分、顔がほんのり赤い




「 行こうか 」




一瞬ふっと笑って、だけど、
それから愛彩の手を引いて歩き出す


ずるいよ

ドキドキさせないで




「 今日の拓かっこいいよ 」




聞こえるか聞こえないかぐらいの声だった


よく見たら、いつものダル着じゃない

ちゃんと服を選んでくれた



多分、クローゼットを掻き分けて探してくれた





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