この声が届くまで





気づかれてた―――…



時々あった

子育てが上手くいかなくて誰かに頼りたくて
誰かに慰めて欲しくて、温もりが欲しくて


その`誰か´が側に居ない
無性に泣きたくなる夜



会いたいのに会えない

たった一人、奏に―――…




「 あぁーそれ多分怖い夢見た時かも

愛彩、そゆの本当無理で
あはっ、十弥にバレてたか~ 」




拓には気付かれたくない

だから無理に声を明るくしてみても
虚しさだけが響いた






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