この声が届くまで





「 岸本、来い 」




七瀬はあたしの腕を掴むと走りだした

屋上につけば、誰もいない


大きな空が歓迎してくれた




「 あっ、ごめん走らせて…
無理したらいけないんだっけ 」




嬉しくてまた泣いた




「 七瀬のバカ…本当だよ… 」




七瀬はそっと微笑んで包み込んでくれた


よく来たな、って。





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