この声が届くまで





「 裏切り者 」




今でも覚えてる


皐の目を真っ赤にして訴えてきた

あの鋭い目付き




「 違っ… 」

「 愛彩はさ、解ってないんだよ
皐がどれだけ奏のこと好きか 」

「 愛彩はただ… 」

「 あんたなんか大っ嫌い 」




それから始まったんだ


私にとっての地獄が――…





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