この声が届くまで





やっぱり愛彩には光なんて入ってこないよ




「 父親が誰かわからないなんて子供も気の毒よね 」




え――…


なんで知ってるの?




「 待って! 」




私は去っていく皐を慌てて引きとめた


だけどその手はすぐに跳ねられた



「 汚い手で触らないで 」

「 手帳… 」

「 は? 」

「 あの時、手帳どこやったの! 」





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