地味女が巻き込まれました。【下完】
ガラガラッ
病室のドアを開けると、この前と変わらない風景が飛び込む。
相変わらず、ガラス越しに眠っている豹。
「…ずーっと、こんな状態じゃ」
小さい机の上を見ると、そこには私が豹にプレゼントした花の冠があった。
花の冠は水分を失って、悲しく萎れてしまってしまう。
そして、私は右に視線を移した。
そこには…
「花…束……?」
血の様な真紅の色をしたバラの花束があった。
「そうじゃった。今日の朝方豹君の様子見に来たら、その花束が置いてあったんじゃよ。」
私は、ゆっくりと花束を手に取った。