地味女が巻き込まれました。【下完】
貴方も早く私に
笑顔を見せてね。
今度は、守るから……。
「……豹っ」
ガラス越しで届く筈の無い豹の名を呼ぶ。
すると……
スゥ―……………。
眠る筈の豹の頬に、一粒の涙が伝った。
「先生!!……ひょ、豹が!」
「フォッフォッフォッ……綾香ちゃんの想いが豹君に伝わったんじゃ無いかね…」
「豹………豹……」
私は何度も何度も、貴方の名前を呼ぶ。
君に想いが届くまで。
この声が枯れても、何度でも呼んであげる……。