地味女が巻き込まれました。【下完】
拒絶
「ごめん、麗。待たせちゃったよね?」
思ったよりも時間が経つのは早く、病院を出る頃には一時間も経っていた。
そして、今、私は顔の前で手を合わせて謝っている。
「今回は許してあげる。…それよりも、さっさと帰らないと俺が廉に怒られる。」
行きに被ったヘルメットを渡された。
「うん!早く帰ろ―……」
って、ダメなんだった。
今、神龍の傍に居るのは。
「綾香、どうした?」
言葉を詰まらせた私を不思議そうに見つめる麗。
「……ごっめーん!今日、用事がこれからあるから家に直接送って貰えないかな?」
「………あぁ…わかったよ。廉には俺が伝えておく。」
「ありがとうっ!!」
少しわざとらしかったかな?
私……ちゃんと、笑えてたかな?