地味女が巻き込まれました。【下完】



「当時5歳の女の子は、如月綾香…、その事件で亡くなったのは…綾香の両親である、綾さんと香織さん。で……、犯人は、もちろん一条流架さ…」



解っては居たけれど、いざ、口に出されると辛いものがある。


綾香が…、綾香の両親が…あいつに…!


俺は、唇を噛み、怒りを抑える。




「綾香はその後、意識は回復したけど、相当ショックだったのか、その事件も家族の事も5歳から前の記憶も全て無くしてしまった。」



あいつにとっては。きっと思い出さないほうが良い記憶なのかもしれない…。


そして、竜は事件を語り続ける。



「一条流架は、その後、裁判に掛けられ懲役7年。」


「人、二人殺してて七年かよ…っ!」



麗はぶつけようの無い怒りを竜に向ける。



「当時、一条流架は、未成年だったんだ…少年法が適用されたんだよ。」


「…チッ」



と、舌打ちをする麗。





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