地味女が巻き込まれました。【下完】
パシッ
優の拳を軽々と掌で止める。
「…お願いですから、綾香を返してくださいよ。」
力の抜けた声、こんな優を見るのは初めてだった。
「そっか。君達は綾香の友達…か。」
一人でそっかそっか、と呟いていた。
やっぱり、コイツは…何か違う。
「ゴメンね。綾香に会わせるのは僕には無理かな。…君達が助けないとね。」
ククッ、と小さく笑い俺達に"期待してるよ"と小さく投げかけた。
そして、その男は廊下の奥へと足を進めあっという間に姿は消えた。