地味女が巻き込まれました。【下完】
…ッ、
流架が銃の引き金を引く。
私は、目をギュっと閉じた。
愛する人が目の前で命を奪われてしまう瞬間なんて
見ていられる筈、無かったんだ。
もう、幼い頃の私は居ない。
「……ククッ、まだ生きてたんだ。」
銃声は響かなかった。
代わりに聞こえたのは、
「フッ、そんな簡単に死んでたまるか。」
聞き覚えのある懐かしい声。
「綾香、待たせたな。」
私に笑いかけるのは、
私と同じ瞳を持った、
ー・・私の唯一の家族。