地味女が巻き込まれました。【下完】
私と、廉が連れられたのは真っ黒な部屋だった。
和風なこの豪邸に似合わない、真っ黒のシンプルな部屋、さっきのが嘘みたいに、物静かで不気味でそこは、"最期"の場所に最適な所でもあった。
「ふぅ…、じゃあ拳で戦う?それとも、銃?」
「…なの、拳に決まってんだろ。」
「りょーかい。」
流架はどこまでも適当な男で、こんな時にまで暢気だから見ていてかなり苛々する。
「じゃあ、綾香ちゃんはそこでジッと見ててね。ちゃーんと、見てるんだよ。」
私を冷たい床の上に座らせて、スッと頭を撫でると何時もの様にククッと笑った。
「じゃあ、はーじめ。」
流架の目つきか、ガラリと…変わる。