地味女が巻き込まれました。【下完】
地味女が巻き込まれました。
Side 綾香
綾香ちゃん、綾香ちゃん
今ではハッキリと見えてしまう流架の姿。
私を強く抱き締めて鎖の様にまとわり付いてくる。
とうとう、捕まってしまった。
前の見えない絶望の暗闇の中、一筋の光が見える。
「助けてやる。」
手を差し伸べてくれたのは、光の中で生きる彼でした。
そうだ、思い出した。
病室の暗闇の中何時も泣いていた私を慰めていたのは゛君゛だったんだね。
助けてやる。
あの時もそう言って手を差し伸べてくれたのは君だったんだね。
頬に一筋の涙がツー‥と落ちていった。