ミルフィユと猫被り
最悪の日
「本当に本当によかった…だって、私、瞬君のこと、好きすぎて………」
今、俺の目の前で俺の思い人が一生懸命俺に思いを伝えてくれてる。
嬉しい、とても尋常じゃないくらいに…
けれど、一つ、腑に落ちないことがある。
それは………
「これは運命…いや、奇跡だよね…!私、断られると思ってたから。ありがとね……瞬君!!」
俺は、瞬《しゅん》、ぢゃない。
『瞬』は、俺の2つ上の兄で違いは年が離れているだけってくらい、顔は本当に《瓜二つ》で弟ながらに、そっくりだと思う。
だからって……
普通、幼なじみの『お前』が間違うかよ!!
桜田恭《さくらだきょう》…14歳。
人生最大のピンチ…!!