ミルフィユと猫被り



送信ボタンを押しながら、兄貴に合図をする。


兄貴は、口パクで《加減しろ!》と怒りながら、桜空に声をかける。



「おい、送っといたぞ。」


「てんきゅー。あ、来た来た!」



桜空は、にこりと嬉しそうに微笑みながら片手で返事を打ち、雑誌に目を落としている。


しばらくそのやりとりが続いて、俺は中々楽しい時間を過ごしていた。


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