ミルフィユと猫被り
兄貴がカミングアウトしてバレたなら、まず驚いて目を真ん丸くしているハズの梅田姉妹が飄々と立っている。
おかしい、とゆうか、さほど驚くことでもなかったってことなのか……?
「月華…桜空…?母さんも……恭も、どした?」
俺は、なるべく自然に兄貴に見えるように、最前の注意を払って話しかけた。
「もう、いいよ恭。」
そりゃ、驚かないハズだ。
月華は、つぶやくようにそう言っていつもはしないような極悪な顔をした。
「結構楽しませてもらったし〜♪ね?桜空。」
「気付かないんだもんっ、まぢウケるから!!」
俺たちは、とっくのとうに月華と桜空の掌の上で踊らされていたんだから。