ミルフィユと猫被り
「ぢゃ、10年よりも前から…?」
「そ♪ママとパパと相談してたんだもん、月と桜の好きなほうを選ぼうって、ね…?」
トンカチで思いっきり頭を殴られたところが古傷だったみたいなダブルパンチ気分だ。
怪しく光る瞳は、しっかりと桜空を捕らえていて桜空もその視線に答えるようににやりと笑う。
俺らが引っ越してきたときにはもう、こいつらの計画の中にいて、たったの今まで気付けなかったことに、俺は少し身震いした。