恋雪【修正中~50pまで~】


古本屋なだけあってかなりの本の数があり、分類もされていないものがいくつもあった。


だから、これを整理するのは大変な作業となる。本は本でも中にはとても価値のある物や分厚い物があるのでお婆ちゃんには辛い力仕事もある。
そしてそんな作業のノルマをクリアしてレジ係を17時まですれば1日のバイトは終わりとなる。




「高校入って1ヶ月になるけど、どう?」




手を休める事無く桜香さんは私に問いかける。




「優しい人たちがいて楽しいです」




今までなら絶対に無い答え。

今までなら絶対に無い感情。



私は本の整理をしながら、桜香さんとこうやって話す時間が好きだ。





「好きな人とか気になる人はできた?」



「…いや、いませんよ。
それより桜香さんは有馬さんとどうなんですか?」



一瞬、先輩の顔がちらついた気がするけれど、それはきっと私の気のせいだ。
経験のない出来事に戸惑っているだけなんだから。
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