手をつなごう
雪乃は、もともと天然だし大丈夫と少し安心していた。


…大丈夫!!!

普通にしていれば、きっと分からない。


そういう風にしか、今は考えられなかった。




「…佐倉さん、佐倉さん。当てられてるよ。早く読まないと…23ページだよ…」


小声で賢くんに話しかけられ、ハッ!!!と我にかえる…



授業中にボーッ、、としていた為に、先生に当てられている事に気付かなかったのだ。


それを小声で教えてくれた賢くんに感謝しながらも、私は慌てて席を立ち指定されたページを読み始める。



「佐倉さん!いいわよ。座りなさい!それと…授業中なんだから、ちゃんと聞いててね」


と英語の愛美(マナミ)先生に言われた瞬間…


クラスのみんなに、笑われてしまった。



私は顔から火がでる思いで…すぐにでも何処かに隠れたかった。


「…あっ、賢くん、ありがとう」
< 14 / 44 >

この作品をシェア

pagetop