手をつなごう
私は自分の胸のドキドキを静めるのに精一杯だった。

久しぶりに会っても、やっぱり賢くんが気になる自分がそこにはいた。


ちゃんと自分の気持ちを伝えれば良かった!!なんて後悔はたくさんしてきた。

雪乃に正直に言えば良かったって何回思った事か…。

だけど臆病者の私には、それが出来なかった…。



あれから賢くんと話す事は全くなく…


そして私は、なんとか短大に合格し、麻梨ちゃんも専門学校に通う事が決まった。


やがて季節は冬から春へと変わり…。


「もうすぐ未唖と別々の学校に行くのかぁ…」

しみじみ話す麻梨ちゃん。

離れても、友達でいようね!!なんて会話を何回も繰り返し…あとは明日の卒業式を迎えるだけになった。



「…未唖なにしてるの??早く用意しなさいよ!!まったくあの子は………」


っといつもの様に、お母さんに急かされながら、着るのが最後の制服を手に取った。
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