手をつなごう

いつの日も二人で

その言葉が聞こえた瞬間、私は賢くんの胸に飛び込んだ。


「…佐倉さんが雪乃に協力したのが少し許せなくて。僕の事なんて、何とも思ってないんだ…そう思えちゃって!…佐倉さんは知らないと思うけど、僕は小学生の時から好きだったんだよ」


賢くんの口から出た、その言葉に私は、彼の胸で大泣きした。




「…僕、この先ずっと車イスだよ。君に沢山迷惑かけちゃうかも…。それでも僕の側に居てくれますか?未唖…」


初めて未唖って呼んでくれた…


佐倉さんではなく、未唖って!!


私は嬉しすぎて、何て言ったらいいか分からなかった。


ただ…ただ…頷くだけだった。



赤く夕日が照らす病室で、私達は何度もキスをしては照れ笑いをした。


…高校生の時に二人で見た夕日と同じ。
とても赤く…そして私と彼の顔を赤色に染めていた。
< 43 / 44 >

この作品をシェア

pagetop