手をつなごう
「…そんな事ないよ。昔よりは出来るよ!!それに私は勉強を頑張るってタイプじゃないもん」



「しょうがないなぁ!!佐倉さん僕が教えてあげるよ」


そう言いながら賢くんは隣の席に座った。



なんだか昔に戻ったみたいだった。


確か中二の頃に…
賢くん家の両親が離婚してしまい、それがきっかけで周りの人と距離をおくようになった。


それ以来、私とも話す事が少なくなった。


まぁ私も、どう接したらいいのか分からず距離をおくようになっていった。



「…なんか久しぶりだよね。こうして二人で勉強するのって…」


私は、この状況が懐かしく思えていた。


「そう??」


賢くんは、何でもないような顔で、さらっと答えた。


「そうだよ!!ほらっ、最後に二人で勉強したのって小学生の時以来だよ〜!!!」


「そうだっけ?そんな事より早く終わらせないと夜になっちゃうよ」
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