スノー・センチメンタル
すぐさま車を降りて、白に埋もれている黒い物体へ歩み寄る。


間違いなく人だ、高校生ぐらいの男の子? 天然パーマなのかな、ふわふわした黒髪。雪に埋まっているのに濡れていない、不思議だ。

まるでたった今、突然ここに湧いたみたいな……。



恐る恐る顔を覗き込んでみれば、幼さの残るあどけない寝顔。というか死んでいる?



「ちょっと、生きてる?」

何はともあれ、尋ねてみた。死んでいたら連絡するのは警察、だっけ? でも反応なくても生きている可能性もあるからなあ、難しいな。


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