スノー・センチメンタル
少年は静かに瞼を落とす。え? 何? 焦燥しきっている私に彼はポツリ、こう言ったのだ。




『俺の屍を越えてゆけ』




ク、ソ、ガ、キッ。


「はっ? 何言ってんの? いいからそこどいてよっ!」

どうやらこのクソガキは、お姉さんに遊んで欲しいらしい。あいにくお姉さんは暇じゃない。今すぐにでも雪山へ辿り着いて、美しい最期をとげたいのだ。他をあたって、と切に願う。



「じゃ、家まで送って」

すぐに要求を変えた。何なの? 一体……。


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