おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 玄関で待っていると、便所から出て手を洗った少女は、手で腹を押さえながら顔をしかめていた。


「どうした?」と聞くと、


「お腹が痛いの……」と、少女はか細い声で答えた。


「もう一度便所に入ったらどうだ?」と言ったら、


「そっちじゃなくて胃よ。胃が痛いの!」


 少女は頬っぺたを膨らませてそう言った。女の子相手に、悪い事を言っちまったかな。


「ごめん、ごめん。腹が冷えたのかな?」


「それより、お腹が空き過ぎてだと思う。おじさんはそういう事ない?」


「おお、あるある。確かにあるな。腹が差し込むような感じだよな? 飯食ってないのか?」


「うん、何も……」


 それを聞き、俺は少女が可哀想になり、つい言ってしまった。


「おでん、食うか?」と。


 少女は途端に笑顔になり、


「うん、食べたい!」と言った。


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