おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「有希、今の子達って知り合いか?」


 俺は前に向き直り、有希の顔を見ながらそう聞いた。


「たぶん同じ高校の子達」


 有希は前を見たままそう答えた。特に気にした様子はなく、どうでもいいって感じを受けた。


「やばくないか?」


 俺がそう言うと、有希は俺の顔を見上げた。


「何が?」


「つまり、その……噂になったりしないかなと」


 『え~? おじさんと私がぁ? そんなわけないじゃん』というような事を言われるんじゃないかと、俺は予想した。もし予想通りだと、ちょっと傷つくんだが。しかし俺の予想は外れだった。


「ぜんぜん構わない」


 そう有希は言った。


「そっか」


 俺は、予想が外れて嬉しかった。ただし、やばいんじゃないかと思った方の予想は、外れではなかった。


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