おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 俺はこんな事してて、いいのだろうか……


 向かいにペタンと座り、美味そうにおでんを食べる少女を眺めながら、俺はそんな自問をしていた。


 結局、温風ヒーターのスイッチを入れ、床にクッションを置き、そこに少女を座らせておでんを食べさせている。つまり、少女を部屋に引き止めてしまった。


 コートを脱ぎ、制服が露になった現役JKが、いつも遠くから眺めるだけだった女子高生が、俺のすぐ目の前、それこそ手を伸ばせば届く距離にいる。しかも夜も遅い時刻に、密室に、二人きりで……


 これって、犯罪にならないか?


「おじさんも食べれば?」


 不意に少女が俺を見てそう言った。小さな口をモグモグさせながら。


「お、おお。じゃあ、がんもをもらうかな」


「どうぞ。なんちゃって、おじさんのおでんなのに、変なの!」


 少女はクスクスと笑い、俺もつられてあははと笑った。


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