おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 1階の売り場で、俺達は台所用品や日曜雑貨を目一杯買い込んだ。仕事中に密かに書き記した買い物リストのメモを見ながら。


 意外な事に、有希はそれらに結構詳しかった。リストになくて、でもあった方がいいものなんかの助言もくれた。例えば“卸し金”とか、醤油差しとか。

 有希は家事に無縁な女の子ってイメージだったが、そうでもなさそうだ。

 そう言えば俺って、有希の事を何にも知らないよなぁ。家族の事とか、学校での事とか……


 あ。学校で思い出したが、有希には彼氏がいるんだよなぁ。たしかバレンタインの日に言ってたはず。クソー、嫌な事を思い出しちまったぜ。


< 122 / 206 >

この作品をシェア

pagetop