おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 だったら今だって、さっきだって、携帯を見ればいいんじゃないか?


「携帯、忘れて来たのか?」


 まっさきに考えた事を聞いてみたのだが……


「ううん、持ってるよ。電源を入れてないだけ」


「ああ、そうか。バッテリー切れか?」


「うん……、まあ、そんなとこ」


 俺はその有希の歯切れの悪い返事で、ピンと来てしまった。さっきから時間を気にする理由に。


 自分で言うのも何だが、俺は物事を論理的に考えるのが好きだし得意だ。だからIT関係の仕事をしてるんだが。


 しかしそれが、今回はあだになってしまったらしい。気付かなければよかったものを、気付いてしまった。


「有希……、本当は用事があるんじゃないのか?」


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