おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
まさかのキス
「え?」と言い、有希が驚いて俺の顔を見るのが、前を向いて運転中の俺でもわかった。

 クソッ。やっぱりそうか。


「誰かと待ち合わせてるんだろ? 携帯の電源を切ったりして、すっぽかすつもりなのか?」


「おじさんって、意外に頭いいんだね?」


「意外にって、おまえなあ……。でも、バカだったらよかったなと思うよ」


 次に俺は、本当は聞きたくない事を聞いた。俺の想像が、外れる事を期待しながら、


「彼氏か?」と。


 果たして有希は……コクンと頷いた。


 ああ、クソッ! 想像が当たっちまった。

 でも待てよ。なんでだ?

 なぜ有希は彼氏との待ち合わせ、つまりデートがある事を俺に隠し、すっぽかそうとしたんだろうか……


< 127 / 206 >

この作品をシェア

pagetop