おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 俺はその意味がわからず、つまり“イミフ”でポカンとしてしまった。


「話して来るから、待っててくれる?」


 なんと、有希は俺の所に戻ってくれるのか!?

 ほんとに? 嬉しい。嬉しすぎる!


「わかったから、早く行ってやれよ」


 俺は顔がニヤケそうになるのを必死で堪え、そう言った。大人らしく。

 有希は「うん」と言ってドアを閉め、やや小走り気味に彼氏の元へ歩いて行った。


 俺はハンドルに腕を乗せ、フロントガラス越しに有希の姿を目で追った。


 有希が近付くと、彼女に気づいたらしい彼氏は、有希に向かって駆け出した。そしてなんと、いきなり有希を抱きしめた。人目なんか、まったく気にしないらしい。


 二人はその後キスをしそうな雰囲気で、俺はそれ以上見るのは堪えられなかった。


 俺は有希達から目を背けると、ギアをドライブに入れ、車を発進させた。


< 131 / 206 >

この作品をシェア

pagetop