おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 さすがにウイスキーをストレートでがぶ飲み、それもボトルの3分の2ほども飲めば、俺だって酔っ払う。目の前がグラグラして来た。

 それであの光景や有希への想いを忘れられたかと言うと……ぜんぜんだ。


 忘れるどころか更に悪化している感じだ。今頃あの二人はどこで何をしてるんだろうか。まさかラブホで……なんて事はないよな?


 男に組み敷かれ、快感か苦痛でかはわからないが、顔をしかめる有希の艶かしい顔を思い浮かべてしまい、俺は「うわぁー」と叫んで首を振った。


 まだ酒が足りないのか。そう思ってウイスキーのボトルに手を掛けた時、“ピンポーン”と部屋のチャイムが鳴った。


 どうせ新聞の勧誘とか、回覧板とか、そんなんだろう。放っておいてキャップを開け、ボトルを持ってグラスに注ごうとしたら、再度チャイムが鳴った。


 しかも今度は小刻みに、連続で。まるで俺がいる事を知っていて、出ない事に苛立っているかのように……


「わかったよ、うっせぇなあ。出ればいいんだろ、出れば!」


 俺はよろよろと立ち上がり、ふらつきながら玄関へ向かった。


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