おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 その間もチャイムは忙しなく鳴り続け、俺はドアのロックを解除すると、


「はいはい、何でしょうか!?」


 と乱暴に言いながら、ドアを勢いよく開けた。すると、そこにいたのは、


「有希……?」


 有希だった。さっきまで一緒だった時の姿で、頬っぺたを膨らまして俺を睨む有希が、立っていた。


 酔っ払って夢でも見てるんだろうか。そう思っていたら、


「なんで置いてったの!?」


 可愛らしい声で怒鳴られた。夢じゃないらしい。


「待っててって、言ったのに!」


 有希はプンプン怒りながら中に入り、顔を突き出しながら俺に迫って来た。俺は自然と後ずさりになり、


「いや、それは……うわっ」


 何かにけつまづいて尻餅をついてしまった。


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