おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 俺は夢を見てるんだろうか。酔っ払い過ぎて、有り得ない夢を……


 しかし、夢にしてはリアルだなあ。有希の唇は、俺が想像してたよりもっと柔らかい。そして甘い味がするのは気のせいだろうか。


 夢だからか、有希は抵抗していない気がする。だったら、もっと深いキスをしてもいいよな。どうせ夢なんだし。


 俺は有希の唇を開かせ、その隙間に舌を差し込もうと思った、のだが……


「イヤッ」


 胸を小さな手でグッと押され、唇が離れてしまった。

 そして有希の怒ってるっぽい顔を見たと思った瞬間、


パチン


 そんな音と共に、頬に痛みを感じた。少しだけだが。


 ああ、やっぱり夢じゃなかったらしい。


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