おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 俺も酒の勢いでバカな事をしたが、有希があそこまで怒るとは思わなかった。

 もちろん有希から男として好かれてるなんて思ってないが、“近所の優しいおじさん”ぐらいには、俺に親しみを感じてくれてると思ったのにな。


 ああ、そうか。俺ってほんとにバカだな。“近所の優しいおじさん”は、キスなんかしないよな、普通は。


 今までの親切ごかしは、全部有希の体が目当てだったと、有希はきっと思ってんだろうな……


 失恋したのは初めてじゃないけど、今回のが一番堪えた気がする。有希の唇の感触を思い出にして、一生女なしで生きて行くかなあ……。あ、その前に餓死するんだっけか。


 そんなアホみたいな事を考えながら、うとうとしていたら、チャイムの音で俺は目を覚ました。


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