おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「なんか、ピンと来たの。きっといい人だろうな、って……」


「俺もさ。有希を見て、なんかほっとけない気がした」


「そうなの? やっぱり運命かな」


「うん、俺もそう思うよ」


「あの時おじさんに会ってなかったら、私はどうなってたかわからないな」


「それはどういう事なんだ?」


 有希が気になる言い方をしたので、俺は有希から離れた。いつまでもメソメソしてる場合ではない。もっとも、有希の柔らかな胸の感触を、ずっと味わっていたい、っていう気持ちもなくはなかったが。


「私なんかもう、どうなってもいいかなって思ってた」


「なんだと!?」


 つい、俺は大きな声を出してしまった。だってそうだろ? 俺の大事な有希が、どうなってもいい、なんてさ……


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