おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「話の腰を折ってわるい。で、有希はあいつから何かされたのか? 大丈夫なのか?」


「昨日までは大丈夫だったよ」


 有希はそう言って俺を睨んだ。もしかして俺、責められてる?


「委員長はすぐ私に話し掛けて来て、お昼を一緒に食べようとか、弁当を作ってくれとか、一緒に帰ろうとか、とにかくシツコイの」


「バレンタインのチョコを作れとか?」


「そう。でも、彼は優等生で通ってるから、私が拒むとその時はすぐ引き下がるの。もちろん手も出して来ない。学校では……」


「じゃあ、学校の外だとアブナイって事か?」


「うん、そう。でも、外でも人前では大人しかったのに、昨日は私もびっくりした」


「あいつ、余裕をなくして来てるのかもな?」


 昨日、駅で有希を見るなり、駆け出して人目もはばからず有希に抱き着いた奴を、俺は思い浮かべた。

 面倒な奴が現れたものだなぁ……


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