おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「だから待っててって言ったのに……」


 有希はそう言って頬っぺたを膨らませた。昨日、ここに来た時もこんな顔をしてたっけ。


「ごめん。でもおまえ、よく逃げられたな?」


「必死で逃げたんだからね! 委員長って勉強は出来るけど運動はからっきしで、たぶん私より走るの遅いから、それで捕まらなかったみたい」


「そっか、よかった……」


 奴は体力がないのか。それは不幸中の幸いって奴だな。


「有希、これからは俺がおまえを守るよ」


 俺は有希の肩を掴んでそう言った。


「うん、よろしくね?」


「おお、任せてくれ」


 と言ってはみたが、昼間、俺は会社だし、ましてや学校には入って行けないしな。どこまで有希を守れるのやら……


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