おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「え? いやあ、それは……」


 何て言って断ろうかと考えていたら、


「新妻が待ってるんで、早く帰りたいんすよねぇ?」


 などと後輩がまた余計な事を言うから、俺は奴の頭をポカッと叩いた。


「わるいんだけど、早く帰りたいんで……」


 俺がそう言うと、


「そう。お茶だけでも付き合ってくれない?」


 と金沢は言い、俺はしかたく「わかった」と言った。本当はお茶する時間ももったいないのだけど。


「ねえ、新婚とか新妻とか、どういう事なの?」


「えっと……後で話すよ」


 俺はもう一度後輩の頭を叩き、職場を後にした。


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