おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「ずいぶんハッキリ言うのね?」


「ごめん」


 金沢はフッと笑い、ブラックのコーヒーをすすった。


「苦くないのか、それ?」


「ん? 今日はちょっと苦い、かな」


 そう言って金沢は笑ったが、目は笑ってなかった。むしろ泣いてるように俺には見えた。こいつ、大丈夫だろうか……


「金沢……?」


「河村君、私の事心配してくれてるでしょ?」


「え? ああ、まあな」


「だったら付き合ってよ。今夜だけでいいから」


 俺を見る金沢の目が潤みだした。こんな弱々しい金沢は珍しい。放っておけない気がするが、どうしようか……


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