おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「わかった。言うよ。有希になんて言われるかわかんねえけど、もう隠してるのは限界だから」


「だったら、もう行って?」


「あ、ああ。おまえは?」


「私はもう少しここにいるわ」


「そっか。じゃあ行くな?」


「うん。がんばってね?」


 俺が伝票を掴んで立ち上がると、「ちょっと待って?」と金沢は言った。


「最後にひとつ聞きたいんだけど、いい?」


「ああ、いいよ。なに?」


「もし、有希ちゃんと出会ってなかったら、私達はどうなってたのかな?」


 俺は少し考え、


「付き合ってただろうな」


 と答えた。


「そっか。これが運命なんだね。私達3人の……」


 運命か……。そう言えば出会った日、有希もそんな事を言っていたっけ。


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