おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「要するに俺が言いたいのは、俺達の干支は同じって事さ」


「そうなの?」


「そうなの。おまえも戌年だろ?」


 つい“おまえ”って言っちまったけど、いいよな?


「犬年? さあ……」


「そのはずだよ。俺が戌年なんだから」


「ふ〜ん。なんか、運命感じるね!」


 少女は、パッと華やいだ顔してそう言った。


「運命?」


「うん。今日、おじさんと私が出会ったのは、きっと運命だよ!」


「かもしんないな?」


 確率12分の1が運命的かどうかは疑問だが、そう思いたい気持ちが、俺にもなくはなかった。


< 18 / 206 >

この作品をシェア

pagetop